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2025.11.04

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賃貸オフィスの契約期間や更新料を徹底解説|移転前に知っておくべき契約のポイント

賃貸オフィスの契約期間や更新料を徹底解説|移転前に知っておくべき契約のポイント

オフィス移転を検討する際、多くの方が立地や賃料、レイアウトといった目に見える条件に注目します。
しかし、意外と見落とされがちなのが「契約期間」と「更新料」の取り決めです。

契約形態によっては、更新ができなかったり、途中解約が難しかったりと、事業計画に大きな影響を及ぼす可能性があります。
また、更新料については法律で明確に定められておらず、契約内容や地域の慣習によって金額や有無が異なる点にも注意が必要です。

この記事では、オフィス移転や新規契約を検討している方向けに、
「賃貸オフィスの契約期間・更新料の基本知識」や「契約前に確認すべきポイント」をわかりやすく解説します。

契約の仕組みを正しく理解し、無駄なコストやトラブルを避けながら、
自社に最適なオフィス移転を実現しましょう。

① 普通借家契約(もっとも一般的な契約形態)

「普通借家契約」とは、一般的に1〜2年ごとに契約を更新する方式の契約です。
多くのオフィスビルではこの形態が採用されており、貸主・借主のどちらからも申し出がなければ、自動的に更新されるケースが多くなっています。

普通借家契約の特徴

  • 契約期間終了後も、貸主側に正当な理由がなければ更新を拒否できない(借地借家法第26条)

  • 貸主が更新を拒む場合は、1年前〜6カ月前までに通知する必要がある

  • 借主側からの中途解約は原則自由だが、違約金や特約が設けられていることがある

なお、契約期間が1年未満の場合や期間を定めていない場合は、民法第617条に基づき、3カ月前に通知すれば解約可能です。

普通借家契約が向いているケース

  • 長期的に同じ場所で事業を継続したい企業

  • 更新のたびに条件交渉を行いたい企業

  • 解約時に柔軟に動きたい企業

② 定期建物賃貸借契約(更新のない契約)

一方、「定期建物賃貸借契約」は、契約期間が満了すると自動的に契約が終了する形態です。
更新の概念はなく、継続して利用したい場合は新たに再契約を結ぶ必要があります。

定期建物賃貸借契約の特徴

  • 契約期間満了で契約が終了(更新なし)

  • 期間設定は自由で、短期契約(数カ月単位)も可能

  • 原則途中解約不可。ただし、契約書に特約があれば例外あり

定期建物賃貸借契約が向いているケース

  • プロジェクト型など短期間の利用を想定している企業

  • 移転スケジュールが確定しており、柔軟な契約を希望する企業

  • 将来的に拠点移動の予定がある企業

ただし、途中解約が難しいため、契約前に「中途解約の特約」があるか必ず確認しましょう。
解約時には残存期間分の賃料を請求されるケースもあります。

賃貸オフィスの更新料とは?

オフィスの契約更新時には、更新料が発生する場合があります。
ただし、民法や借地借家法では更新料の支払い義務は明記されておらず、あくまで契約上の取り決めや地域慣習に基づくものです。

更新料が求められる理由

  • 貸主の収益確保のため

  • 長期入居による信頼関係維持のため

更新料の支払いは法的義務ではありませんが、契約書に明記されており同意した場合は支払い義務が生じます
交渉で免除を求めることも可能ですが、関係悪化の原因になりかねないため慎重に進めましょう。

更新料の相場と注意点

① 一般的な更新料の目安

賃貸オフィスの更新料は、家賃1カ月分程度に設定されるケースが多いです。
ただし、これはあくまで目安であり、物件や契約内容により異なります。

  • 家賃の変動により更新料も上がることがある

  • 更新料の計算方法が「賃料の○%」で定められている場合もある

  • 消費税が加算されることもあるため、総支払額で確認が必要

② 契約更新時の注意点

普通借家契約と定期建物賃貸借契約では、更新の仕組みが異なります。

契約形態
普通借家契約 期建物賃貸借契約
更新の有無 あり なし
更新料の発生 発生する場合あり 原則無
更新料補足 合意・自動・法定更新の3種類 再契約料が発生することも
更新の種類(普通借家契約)
  • 法定更新:貸主に正当な事由がないため自動的に更新される

  • 合意更新:貸主・借主が条件変更を合意の上で更新

  • 自動更新:期間満了後に同条件で自動的に更新される(法定更新とみなされることも)

契約更新を控えたタイミングでは、賃料や更新料、原状回復義務などを再確認し、納得できる内容で契約を継続しましょう。

契約前に確認すべき3つのチェックポイント

  1. 契約形態の確認
     自社の利用目的に合った契約形態を選びましょう。

  2. 中途解約の条件
     柔軟な移転を想定するなら、中途解約が可能か要チェック。

  3. 更新料・再契約料の明記
     金額・支払い時期・税区分を契約書で明確にしておくことが大切です。

まとめ|契約内容を理解してトラブルを防ぐ

オフィス移転や新規契約の際には、契約期間と更新料の規定を正しく理解しておくことが欠かせません。
契約形態によって対応が異なり、費用負担や更新の可否が大きく変わります。

  • 普通借家契約:更新可能・更新料が発生する場合あり

  • 定期建物賃貸借契約:更新なし・再契約が必要

特に更新料は法的義務ではないものの、契約書に明記されていれば支払い義務が生じるため注意が必要です。
不明点は契約前に貸主や仲介会社へ確認し、後のトラブルを防ぎましょう。

執筆者

W.M

図面が好きで2011年ビズライフエージェントに入社。ハイグレード賃貸オフィスからセットアップや居抜きオフィスまでこんな特集あったらいいな、を発信していきます。ご興味のある方はぜひお気軽にお問合せください。